…と言っても、世界遺産じゃなくって ウシなのだ。
【マチュピチュ】というニックネームで
みんなにかわいがられていた 仔牛のこと。
マチュピチュは リナたちの学校で、1年前にうまれた。
おかあさん牛に寄りそうようにしていた時期も
すくすく成長する様子も
嬉しそうに撮ってくる、携帯の画像でいつも見てきた。
「部員のみんなが呼んでも来ないのに
リナたちが『マチュ!』って呼ぶと来るんだー!」と
しょっちゅう聞かされてきた。
そして、お別れの時がきた。
朝 部活前にマチュピチュのところへ行ったら姿はなくなっていて
「今朝5時にセリに連れて行かれたんだ。」と 先生に聞き
かなりしょんぼりして帰ってきた。
マチュピチュという名前をつけた、名付け親のノンは
「もう国産の牛肉は食べない・・・
マチュが食べられちゃう日が来るのはヤだから!」と泣き崩れてしまったらしい。
そんなノンを励ます言葉もみつからないまま
リナのしょんぼりした日が続く。
世の中がこんなになってしまった今、
何よりも尊い 大切なことを学ばせてもらっている、と思う。
ただ、そばにいてやろうと思う。